1 事案

傷害事件で逮捕・勾留されていたところ、ご依頼から4日後に勾留決定の取消しによる釈放を得ました。
そのうえで、事件関係者を含む被害者との示談を成立させたことにより、被害届が取り下げられ、不起訴処分で終結させることに成功しました。

2 背景

傷害事件を起こして逮捕された被疑者のご家族から、被害者との今後の関係性を含めて解決してほしいとのことで、ご相談・ご依頼いただきました。

被害者からは被害届が提出されていましたが、被疑者と被害者とは面識があり、ご家族からは可能であれば円満な関係を続けていきたいとのお話がありました。
これを受け、当事務所の弁護士は、示談解決による不起訴処分の獲得を目指して弁護活動を進めていくこととしました。

もっとも、被疑者は逮捕・勾留されていたことから、まずは被疑者の身柄を解放してから、不起訴処分に向けた活動をしていく方針となりました。

3 当事務所の活動と結果

(1)身柄の解放に向けて

当事務所の弁護士がご依頼を受けたのは被疑者が逮捕された当日から3日後であり、ちょうど勾留請求された日でした。

勾留とは、逮捕後に継続して行われる身柄拘束のことをいいます。
勾留は、検察官が裁判官に対して勾留の許可を求め、これに対して裁判官が勾留を認める決定をすることにより手続が進んでいきます。
裁判官の勾留決定に対しては、不服申立てをすることができます。
この不服申立てのことを、勾留決定に対する準抗告といいます。

ご依頼後、当事務所の弁護士は、被疑者と速やかに面会を実施し、事情を聴取しました。
その結果、当事務所の弁護士は、今回の逮捕・勾留が不当な身柄拘束であると考え、準抗告の必要性があると判断しました。
このような判断に至ったのは、①被疑者が比較的若年であること、②定まった住居を有していること、③事実関係を認めており、証拠隠滅等の可能性に乏しいこと、④予想される刑事処分が軽微なものであると考えられること、⑤ご両親という適切な監督者が存在し、そのご両親が被疑者の処分が決まるまで自宅において監督するとお話しされており、逃亡の可能性が極めて乏しいこと、などの事情があったためです。

そのため、当事務所の弁護士は、被疑者との面会後、必要書類を用意し、ご依頼から(勾留請求のあった日から)3日後に勾留決定に対する準抗告の申立てを行いました(なお、ご依頼から土日を挟んだ関係で若干のタイムラグがありましたが、通常、平日にご依頼いただいた場合で準抗告の申立ての必要があると判断される場合には、当日ないし翌日には申立てができるように準備をしていきます。)。

準抗告の申立てをした翌日には、裁判所から、勾留決定を取り消し、検察官による勾留請求を却下するとの裁判が下され、被疑者は釈放されることになりました。
逮捕から6日後、ご依頼から4日後の釈放となり、被疑者を不当な身柄拘束から速やかに解放することに成功しました。

法務省が作成・公表している令和4年度の犯罪白書によれば、検察官による勾留請求に対する裁判官による却下率は4.1%となり、検察官による勾留請求がほとんど認められているのが現状です。
しかし、裁判官の判断が全て正しいというものではなく、事案によっては不当な身柄拘束と判断される事案もあるため、そのような事案については、速やかに不服申立てを行うことが必要となります。

(2)示談契約の成立による被害届の取下げ

被疑者が釈放された場合、身柄を拘束せずに捜査機関による捜査が継続します。
これを在宅事件といいます。
当事務所の弁護士は、本件の在宅事件への移行後、次は不起訴処分の獲得に向けて、被害届の取下げを目標に活動していきました。

本件は、直接の被害者とは別に、被害者に準ずる立場ともいうべき事件関係者も存在したため、当事務所の弁護士は、被疑者やご両親とも相談のうえ、この事件関係者を含めて示談契約書を取り交わす方針となりました。

そこで、当事務所の弁護士が被害者と事件関係者に連絡を取って面会を重ねたところ、本件の被害者と事件関係者は、被害感情が大変強いものでした。
しかし、よくよく被害者の話に耳を傾けてみると、必ずしも被疑者を厳罰に処することを望むものではなく、被疑者が比較的若年であることから、今後の更生のために本件はしっかりと反省してほしいとの思いから被害届を提出していることが分かりました。
また、被疑者と被害者はもともと面識があったため、刑事処分が決まった後の関係性についても話し合いを進めていきました。

そして、当事務所の弁護士は、①被疑者から反省文を取り付け、それを被害者に提出すること、②被害者に対して見舞金の支払いを約束すること、③被疑者と被害者の今後の関係性については、接触を一切禁ずるものではないけれども、双方のご両親が教育的な観点から訓戒することにより適切な関係性を築いていく、という取り決めをすることにより、示談契約書の取り交わしに進みました。

示談契約書が取り交わされたあと、被害者は速やかに被害届を取り下げました。

(3)不起訴処分の告知

被害届が取り下げられたあと、ほどなく検察官から不起訴処分となった旨の連絡があったため、本件の対応は終結となりました。

4 解決のポイント

本件は、事件に関係する方々が複数人おり、それぞれの思惑や考えがあり一つのまとまった結論を出すことが難しい事案でした。
また、被疑者が不当な身柄拘束を受けていたため、まずは身柄の解放に向けて迅速に行動すべき事案でした。

当事務所の弁護士の活動により迅速な身柄解放に成功し、示談契約書の取り交わしと被害届の取下げを得て不起訴処分となり、ベストの結果を残せた事案となります。

このように、刑事事件については、事案の本質を見抜いて迅速に行動する必要があります。
ご家族が逮捕・勾留されてお困りの方や、逮捕・勾留されていなくとも捜査機関から捜査を受けていてお困りの方は、刑事事件を得意とする当事務所の弁護士にご相談ください。

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