代表弁護士で温泉ソムリエの木村哲也です。
今回の日常コラムでは、温泉に関する講演を受講したことのご報告と、2025年に訪れた青森県内の温泉のご紹介を中心にお話させていただきます。
今回の日常コラムでは、温泉に関する講演を受講したことのご報告と、2025年に訪れた青森県内の温泉のご紹介を中心にお話させていただきます。
1 市民公開講演会「地理的視点から見た青森の温泉,再発見」
(1)温泉水の起源
(2)青森県の温泉資源
(3)青森県の温泉利用
2 浅虫温泉(その3)
3 温泉ソムリエマスター(その3)
4 八甲田ホテル(荒川温泉)
5 おわりに
(1)温泉水の起源
(2)青森県の温泉資源
(3)青森県の温泉利用
2 浅虫温泉(その3)
3 温泉ソムリエマスター(その3)
4 八甲田ホテル(荒川温泉)
5 おわりに
1 市民公開講演会「地理的視点から見た青森の温泉,再発見」
2025年9月21日、弘前大学で開催された公益社団法人日本地理学会様主催の市民公開講演会「地理的視点から見た青森の温泉,再発見」を受講しました。
温泉水の起源、青森県の温泉資源、青森県の温泉利用などをテーマとする講演が組まれ、温泉好きにとっては非常に興味深い内容でした。
特に印象に残った事項を、以下でご紹介いたします。
2025年9月21日、弘前大学で開催された公益社団法人日本地理学会様主催の市民公開講演会「地理的視点から見た青森の温泉,再発見」を受講しました。
温泉水の起源、青森県の温泉資源、青森県の温泉利用などをテーマとする講演が組まれ、温泉好きにとっては非常に興味深い内容でした。
特に印象に残った事項を、以下でご紹介いたします。
(1)温泉水の起源
□温泉水の多くは天から降る雨や雪(天水)を起源とするが、海洋プレートから絞り出された水が関与していることもある。
□青森県の温泉の成分を分析したところ、多くは天水由来の温泉水であるが、酸ヶ湯温泉や下風呂温泉では非天水成分との混合の可能性が示唆され、太平洋プレート由来の水が含まれていると考えられる。
(2)青森県の温泉資源
□青森県には約1000の源泉が確認されているが、そのうち約400の源泉は未利用である。また、蒸気型(沸点以上の高温であるため、湯ではなく蒸気として噴出する源泉)の源泉はゼロである。
□青森県には42度以上の源泉が674あり、全国6位である。
□「単純温泉」と「ナトリウム-塩化物泉」が青森県の温泉の約7割を占めている。
□全国平均では動力揚湯泉(ポンプなどの動力により汲み上げる温泉)が自噴泉(動力によらずに自然に湧き出る温泉)の約3倍であるのに対し、青森県では動力揚湯泉が自噴泉の約10倍であり、青森県は温泉利用において少し無理をしている可能性がある。
□継続的な動力揚湯は、周囲の地下水の混入による泉質の経年変化を発生させることがあり、注意が必要である。
(3)青森県の温泉利用
□温泉は24時間利用できる熱エネルギーであり、昨今のエネルギー問題解決の一助となる可能性がある。
□温泉熱を利用し、メロンの栽培(つがる市)、熱帯果実の栽培(おいらせ町)、オニテナガエビの養殖(弘前市)、すっぽんの養殖(東北町)、味噌の醸造(大鰐町)を行うなどの取り組みが多々見られる。
□「八甲田ホテル」様では、床暖房に温泉熱を利用している。また、温泉熱を融雪に利用する例もある。
□温泉熱を利用することにより、新たな産業を作ることができる。
□温泉水の利用において、機材に付着するスケール(湯の花=温泉析出物)の除去という問題があり、解決のためには体系的な研究が必要である。
2 浅虫温泉(その3)
2025年2月某日、浅虫温泉を訪れ、「辰巳館」様に宿泊しました。
浅虫温泉は、「弁護士の日常コラム」では3回目のご紹介となります。
この日、「辰巳館」様で行われた協同組合青森SR経営労務センター様の研修に講師として招かれ、「問題社員対応と解雇する際のポイント」と題する講演を行いました。
研修終了後には、「辰巳館」様の宴会場で、研修にご出席された社会保険労務士の方々との懇親会が行われ、青森県の山海の幸を使った夕食を楽しみました。
この日、「辰巳館」様で行われた協同組合青森SR経営労務センター様の研修に講師として招かれ、「問題社員対応と解雇する際のポイント」と題する講演を行いました。
研修終了後には、「辰巳館」様の宴会場で、研修にご出席された社会保険労務士の方々との懇親会が行われ、青森県の山海の幸を使った夕食を楽しみました。

そして、夕食後は内風呂と露天風呂での温泉入浴を楽しみ、心身の疲れを癒しました。
コンパクトながらも風情のある露天風呂が印象的でした。



そして、夕食後は内風呂と露天風呂での温泉入浴を楽しみ、心身の疲れを癒しました。
コンパクトながらも風情のある露天風呂が印象的でした。

※温泉の写真はスタッフの方の許可を得て撮影しました。
泉質は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)」であり、浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は以下のとおりです。
| 泉質別適応症 | 【硫酸塩泉】 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症 【塩化物泉】 硫酸塩泉と同じ |
| 泉質別禁忌症 | 【硫酸塩泉】 なし 【塩化物泉】 なし |
その他、以下のような効能があるとされています。
①「硫酸塩泉」「塩化物泉」は、温泉の成分が肌に吸着しやすく保温・保湿効果が高いため、湯冷めしにくく湯上り後の肌の乾燥が抑制されるという特徴があるとされています。
②「硫酸塩泉」は肌を蘇生する美肌効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています。
③アルカリ性・弱アルカリ性の温泉は、古い角質を除去する美肌効果があるとされています。
翌朝には、帆立貝焼き味噌などの朝食膳をいただきました。
「辰巳館」様は、趣のある落ち着いた雰囲気の温泉旅館です。
「辰巳館」様は、趣のある落ち着いた雰囲気の温泉旅館です。
客室の窓からは、青森湾に浮かぶ湯ノ島を眺めることができました。
湯ノ島は、浅虫温泉から約800mの沖合にある円錐型の無人島であり、浅虫温泉の象徴とされています。
また、「辰巳館」様の館内には、温泉むすめの等身大パネルと灯籠が設置されていました。
また、「辰巳館」様の館内には、温泉むすめの等身大パネルと灯籠が設置されていました。


3 温泉ソムリエマスター(その3)
2024年9月28日、宮城県仙台市で温泉ソムリエ協会主催のステップアップセミナー「温泉ビューティ&ダイエットソムリエ」を受講しました。
このセミナーでは、温泉の泉質による美容効果のほかに、食事・運動との組み合わせによる美容増進などについて、解説を受けました。
そして、セミナーの受講を修了したことにより、「温泉ソムリエマスター(温泉ビューティソムリエ)(ダイエット温泉ソムリエ)」のライセンスを得ることができました。
また、セミナーの前日には、温泉ソムリエ協会主催の公式オフ会が開催され、全国各地から参加された温泉好きの皆様と交流しました。
宴席冒頭の自己紹介の際に「各自お勧めの温泉をひとつ挙げること」というお題が出されたため、私の番では恐山温泉を紹介しました。
また、セミナーの前日には、温泉ソムリエ協会主催の公式オフ会が開催され、全国各地から参加された温泉好きの皆様と交流しました。
宴席冒頭の自己紹介の際に「各自お勧めの温泉をひとつ挙げること」というお題が出されたため、私の番では恐山温泉を紹介しました。
【関連コラム】
●代表弁護士の温泉紀行⑤
4 八甲田ホテル(荒川温泉)
2025年12月某日、「八甲田ホテル」様に宿泊しました。
「八甲田ホテル」様を訪れるのは、今回が初めてでした。
「八甲田ホテル」様の温泉は、源泉名が「荒川温泉」であるため、見出しでは「八甲田ホテル(荒川温泉)」という表記としました。
「八甲田ホテル」様は、1991年に開業した重厚感のあるログハウス風ホテルであり、木の温もりを感じる癒しの空間でした。
「八甲田ホテル」様は、1991年に開業した重厚感のあるログハウス風ホテルであり、木の温もりを感じる癒しの空間でした。

館内には、棟方志功の作品が多数展示されていました。



館内には、棟方志功の作品が多数展示されていました。
「八甲田ホテル」様に到着したあと、まずは温泉入浴を楽しみました。
泉質は「酸性・含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(高張性酸性高温泉)」であり、浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は以下のとおりです。

「八甲田ホテル」様に到着したあと、まずは温泉入浴を楽しみました。
泉質は「酸性・含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(高張性酸性高温泉)」であり、浴用の泉質別適応症・泉質別禁忌症は以下のとおりです。
| 泉質別適応症 | 【酸性泉】 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症 【含鉄泉】 なし 【硫酸塩泉】 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症 【塩化物泉】 硫酸塩泉と同じ |
| 泉質別禁忌症 | 【酸性泉】 皮膚または粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症 【含鉄泉】 なし 【硫酸塩泉】 なし 【塩化物泉】 なし |
その他、以下のような効能があるとされています。
①「硫酸塩泉」「塩化物泉」は、温泉の成分が肌に吸着しやすく保温・保湿効果が高いため、湯冷めしにくく湯上り後の肌の乾燥が抑制されるという特徴があるとされています。
②「硫酸塩泉」は肌を蘇生する美肌効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています。
「八甲田ホテル」様の温泉は、青緑がかった湯の色をしており、強酸性ながらマイルドな浴感でした。
なお、温泉(浴室)の写真は「八甲田ホテル」様の公式サイトをご覧ください。
温泉を楽しんだあとは、夕食を楽しみました。
フレンチと和食から選べるところ、フレンチを選択しました。
料理の内容は、青森県産の食材を多く使ったフルコースでした。
温泉を楽しんだあとは、夕食を楽しみました。
フレンチと和食から選べるところ、フレンチを選択しました。
料理の内容は、青森県産の食材を多く使ったフルコースでした。

そして、翌朝の朝食は、和食を選択しました。



そして、翌朝の朝食は、和食を選択しました。

5 おわりに
温泉紀行は約1年振りの執筆となりました。
2025年は業務のほかに筋力トレーニングを中心とする外見改善に注力しており(外見改善の取り組みについては、日常コラムで別途詳しくお話しいたします)、温泉に出掛ける機会は減ってしまいました。
しかし、少ない機会ながらも、青森県の素晴らしい温泉宿でのひと時を楽しむことができましたので、満足しています。
2026年以降も、マイペースに温泉巡りを続けたいと思います。
記事作成弁護士:木村哲也
記事更新日:2025年12月12日
※本コラムの記事内容は、記事更新日時点の法令・指針および温泉分析書の掲示等に基づくものです。記事更新日以降に法令・指針の改正・改訂および温泉成分の再分析等、その他事情の変更があった場合でも、記事内容の加筆・修正等を行うことは予定しておりません。あらかじめ、ご了承ください。
温泉記事の一覧
【執筆者:代表弁護士・木村哲也】
| 番号 | 年月日 | タイトル | 内容 |
|---|---|---|---|
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