代表弁護士で温泉ソムリエの木村哲也です。

最近の休日は、青森県内各地の温泉によく足を運んでいます。

今回の日常コラムでは、温泉に関する様々な知識・情報と、最近訪れた青森県内の温泉のご紹介を中心にお話させていただきます。

1 天然温泉と人工温泉

「温泉法」という法律によると、温泉とは、地中から湧出する温水等で、源泉温度が25℃以上のもの、または「溶存物質の総量」「リチウムイオン」「水素イオン」「よう化物イオン」「メタけい酸」など含有成分に関する19の特定の条件のうち1つ以上規定値に達しているものをいう、と定義されます(温泉法2条)。
そして、「天然温泉」とは、温泉法が定義する天然由来の温泉のことです。

一方で、「天然温泉」と対比される「人工温泉」というものがあります。
「人工温泉」とは、薬剤(入浴剤)・鉱石などを使用することにより、人工的に温泉の成分を含有させた湯・温浴施設のことです。
「人工温泉」の例としては、トロン温泉、トゴール温泉、光明石温泉などがよく知られています。
そして、「人工温泉」と称して一定の効能・効果を表示するためには、使用する薬剤(入浴剤)・鉱石が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)という法律による承認を受けた医薬品・医薬部外品であること、表示する効能・効果がその医薬品・医薬部外品に認められているものであること、人工温泉装置等により用法・用量が適切に管理され恒常的・安定的に維持されていること、が条件となります。

なお、「人工温泉」については、利用者に「天然温泉」であるとの誤認を与えることのないように、「人工温泉」である旨を明確に表示することが必要です。
「人工温泉」であるのに「天然温泉」と誤認させるような表示を行うなどすれば、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)という法律に違反する「優良誤認表示」にあたる可能性があります(景品表示法5条1号)。

2 下風呂温泉

下風呂温泉は、風間浦村にある温泉です。
室町時代からの歴史を持ち、当時は凍傷に効く温泉として知られていました。
1656年には、南部藩の藩主である南部重信が入湯しました。
古くはニシン漁師の湯治場として栄え、現在はイカ漁が行われる漁港として、温泉街が成立しています。
下風呂温泉の名称は、この地域のことをアイヌ語で「臭い岩」を意味する「シュマフラ」と呼んでいたことに由来します。

2024年2月某日、下風呂温泉を訪れました。
下風呂温泉に来るのは、今回が2回目でした。
この日は、「下風呂観光ホテル三浦屋」様(以下、「三浦屋」様といいます)に宿泊しました(なお、1回目は「さが旅館」様に宿泊しました。他にも気になっている宿が複数あり、またの機会にお邪魔したいと思っております)。

「三浦屋」様の客室からは、津軽海峡を一望することができます。
この日は天気が良く、津軽海峡の先に北海道が見えました。

【客室からの眺め】

「三浦屋」様の温泉は、内風呂として循環式の人工温泉(光明石温泉)があり、露天風呂がかけ流しの天然温泉となっています。
本コラムでは、「三浦屋」様の温泉のうち、天然温泉である露天風呂について、ご説明させていただきます。

【客室からの眺め】

「三浦屋」様の温泉は、内風呂として循環式の人工温泉(光明石温泉)があり、露天風呂がかけ流しの天然温泉となっています。
本コラムでは、「三浦屋」様の温泉のうち、天然温泉である露天風呂について、ご説明させていただきます。

温泉法18条1項・温泉法施行規則10条によると、温泉を公共の浴用に供する場合には、源泉名、温泉の泉質、温泉の成分、温泉の温度、入浴の禁忌症、入浴の方法および注意などを、施設内の見やすい場所に掲示しなければならないとされています。
「三浦屋」様の館内(大浴場の脱衣場内)掲示を見ると、天然温泉である露天風呂は、「含硫黄-ナトリウム-塩化物泉[硫化水素型](低張性中性高温泉)」という泉質であることが分かります。
簡易的な説明にとどめさせていただきますが、硫化水素型の「硫黄泉」と「塩化物泉」の2つの泉質の効能があるということになります。

そして、平成26年7月1日改訂「鉱泉分析法指針」(「鉱泉分析法指針」は、環境省が制定する行政指針であり、温泉の泉質などを定義しています)によると、浴用(入浴)の適応症・禁忌症は、以下のとおりとなります。
※適応症とは、温泉の効能のことです。
※禁忌症とは、身体に悪影響をきたす可能性がある病気・病態のことです。

【浴用の適応症】

一般的適応症 筋肉もしくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
泉質別適応症 【硫黄泉】
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型については、末梢循環障害を加える)
【塩化物泉】
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症

※一般的適応症は泉質を問わずに共通する適応症、泉質別適応症は泉質ごとに異なる適応症のことです。

【浴用の禁忌症】

一般的禁忌症
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍または高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
泉質別禁忌症 【硫黄泉】
皮膚または粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症
【塩化物泉】
なし

※一般的禁忌症は泉質を問わずに共通する禁忌症、泉質別禁忌症は泉質ごとに異なる禁忌症のことです。

その他、以下のような効能があるとされています。
①「硫黄泉」はメラニン色素の分解を促すシミ予防効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています。
②「塩化物泉」は、温泉の成分が肌に吸着しやすく保温・保湿効果が高いため、湯冷めしにくく湯上り後の肌の乾燥が抑制されるという特徴があるとされています。

そして、「三浦屋」様のお食事は、夕食に鮟鱇(あんこう)料理をいただきました。
風間浦村では鮟鱇が冬の名物であり、独特の地形と漁法により生きたまま水揚げされるため、とても新鮮な鮟鱇を食べることができます。
定番の鮟鱇共和え、鮟肝、鮟鱇鍋のほかに、鮟鱇の刺身、鮟鱇の握り寿司などのコースを楽しみました。

【鮟鱇料理】
  

 

【鮟鱇料理】






3 温泉はどうやってできるか?

温泉は、地下水がマグマに温められてできるというイメージがあります。
しかし、このような火山性の温泉だけではなく、マグマ以外を熱源とする温泉もあります。
以下では、様々なタイプの温泉のでき方を簡単にご説明させていただきます。

(1)火山性温泉

地下水が高温のマグマに熱せられ、断層の割れ目や人工的なボーリングにより地表に湧出したものが「火山性温泉」です。
「酸性泉」「硫黄泉[硫化水素型]」のほとんどは「火山性温泉」です。
今回ご紹介する温泉については、下風呂温泉の背後には燧岳(ひうちだけ)、酸ヶ湯温泉は八甲田山中、奥入瀬渓流温泉の元湯である猿倉温泉も八甲田山中にあり、いずれも火山帯です。

(2)非火山性温泉

①海岸温泉
現在の海水が主な成分となっている温泉です。
ただし、まったく海水と同じ成分では、温泉とは認められません。
海の近くに多く、塩化物泉であることがほとんどです。

②深層地下水型温泉
地中では、深度が深くなるほど地温が上昇します(地温勾配。一般的に100mごとに約3℃の割合で上昇)。
また、地中にある高温岩体(マグマが冷えて固まる途中のもの、溶融したマグマの周辺にあるものなど)が熱源となることもあります。
地下水が地温勾配・高温岩体に熱せられ、断層の割れ目や人工的なボーリングにより地表に湧出したものが「深層地下水型温泉」です。
「火山性温泉」と比較して温度が低く、「単純温泉」など含有成分が比較的少ない温泉であることが多いです。

③化石海水型温泉
地中では、太古の地殻変動により古い海水が閉じ込められていることがあります(化石海水)。
化石海水が断層の割れ目や人工的なボーリングにより地表に湧出したものが「化石海水型温泉」です。
温度が25℃未満の低温であることも多いですが、化石海水は塩化物(塩分)を多量に含んでいるため、25℃未満であっても温泉法が定義する温泉に該当します。
泉質は化石海水が取り込こまれた堆積層の環境条件により変化し、海に近い地域では現在の海水が混入していることもあります。

④グリーンタフ型温泉
太古の海底火山活動で生じた火山灰・火山岩などの堆積物が海底に堆積・変質してできた岩石のことを、凝灰岩といいます。
そして、グリーンタフ(緑色凝灰岩)とは、緑色系統の色調を呈する凝灰岩のことです(緑色を呈する理由は、岩石に含まれる鉱物が火山活動の熱水により変質を受け、緑泥石という鉱物に変化したためです)。
グリーンタフの地層は、日本海側を中心に日本列島に広く分布しており、東北地方・北海道に特に広く分布しています。
地下水がグリーンタフを通り、成分を溶出してできた温泉がグリーンタフ型温泉です。
硫酸塩泉、塩化物泉であることが多いです。

(3)特殊な温泉

①活断層の摩擦熱により地下水が温められた温泉

②モール泉(地中の泥炭層を通過して湧出する温泉。植物性の有機物が含まれている)
※泥炭とは、太古の植物が堆積してできた泥状の炭であり、石炭の一種です。

③放射能泉(温泉が湧出する途中で放射性物質であるラドンやラジウムを含む地層を通過することにより放射能泉となります)

④有馬型温泉
※海洋プレートに取り込まれた海水が起源であるとする説など、諸説あります。

4 酸ヶ湯温泉

酸ヶ湯温泉は、青森市にある温泉です。
今から300年以上前、横内(現在の青森市内)に住む狩人が鹿を仕留め損ない、その手負いの鹿を追って山に入りました。
それから3日後に発見したものの、傷を負っていたはずの鹿があっという間に岩山を駆け上がり、逃げ去ってしまいました。
その俊敏さを見て不思議に思い、付近を探索したところ、温泉が湧いているのを発見した、と伝えられています。
元の温泉名は「鹿湯」(しかゆ)であり、「酸ヶ湯」(すかゆ)は「鹿湯」が変化したものです。

八甲田山の山奥にもかかわらず、古くから湯治場として訪れる者が多く、1954年(昭和29年)には「国民保養温泉地第1号」の指定を受けました(同じ時期に栃木県の奥日光湯元温泉、群馬県の四万温泉と共に指定)。
「国民保養温泉地」とは、温泉利用の効果が十分期待され、かつ健全な温泉地としての条件を備えているとして、温泉法29条に基づいて環境大臣が指定した温泉地のことです。
2023年(令和5年)1月時点で、全国79か所の温泉地が「国民保養温泉地」に指定されています。

2024年2月某日、酸ヶ湯温泉を訪れました。
酸ヶ湯温泉に来るのは、今回が2回目でした。
一軒宿である「酸ヶ湯温泉旅館」様に宿泊し、酸ヶ湯温泉でのひと時を楽しみました。

【旅館の外観】

「酸ヶ湯温泉旅館」様では、打たせ湯とかけ湯を除くと、「熱の湯」「四分六分の湯」「玉の湯」の3種類の温泉に入浴することができます(いずれもかけ流し)。
熱の湯と四分六分の湯は混浴の大浴場(ヒバ千人風呂)にあり、玉の湯は男女別の浴場にあります。
個人差はありますが、熱の湯はぬくもりが長く持続し、後々まで体がほてります。
四分六分の湯は熱の湯よりも熱く感じますが、ぬくもりの持続が熱の湯よりも短く、四分から六分くらいのぬくもり具合になると言われています。

【旅館の外観】

「酸ヶ湯温泉旅館」様では、打たせ湯とかけ湯を除くと、「熱の湯」「四分六分の湯」「玉の湯」の3種類の温泉に入浴することができます(いずれもかけ流し)。
熱の湯と四分六分の湯は混浴の大浴場(ヒバ千人風呂)にあり、玉の湯は男女別の浴場にあります。
個人差はありますが、熱の湯はぬくもりが長く持続し、後々まで体がほてります。
四分六分の湯は熱の湯よりも熱く感じますが、ぬくもりの持続が熱の湯よりも短く、四分から六分くらいのぬくもり具合になると言われています。

熱の湯、四分六分の湯、玉の湯の泉質は、次のとおりです。

【泉質】

熱の湯 酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ・Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉[硫化水素型](低張性酸性高温泉)
「酸性泉」「硫黄泉[硫化水素型]」「含鉄泉」「硫酸塩泉」「塩化物泉」の効能を持つ。
四分六分の湯 酸性・含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性酸性高温泉)
「酸性泉」「含鉄泉」「硫酸塩泉」「塩化物泉」の効能を持つ。
玉の湯 酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ・Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉[硫化水素型](低張性酸性高温泉)
「酸性泉」「硫黄泉[硫化水素型]」「含鉄泉」「硫酸塩泉」「塩化物泉」の効能を持つ。

浴用(入浴)の適応症と禁忌症は、次のように整理されます。

【浴用の適応症】

一般的適応症 筋肉もしくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
泉質別適応症 【酸性泉】
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症
【硫黄泉】
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型については、末梢循環障害を加える)
【含鉄泉】
なし
【硫酸塩泉】
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
【塩化物泉】
硫酸塩泉と同じ

※熱の湯、玉の湯は上記のすべてが該当。四分六分の湯は硫黄泉を除く上記のすべてが該当。

【浴用の禁忌症】

一般的禁忌症
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍または高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
泉質別禁忌症 【酸性泉】
皮膚または粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症
【硫黄泉】
酸性泉と同じ
【含鉄泉】
なし
【硫酸塩泉】
なし
【塩化物泉】
なし

※熱の湯、玉の湯は上記のすべてが該当。四分六分の湯は硫黄泉を除く上記のすべてが該当。

その他、以下のような効能があるとされています。
①「硫黄泉」はメラニン色素の分解を促すシミ予防効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています(熱の湯、玉の湯が該当)。
②「硫酸塩泉」は肌を蘇生する美肌効果があるとされ、「美人の湯」の一つであると言われています(熱の湯、四分六分の湯、玉の湯が該当)。
③「硫酸塩泉」「塩化物泉」は、温泉の成分が肌に吸着しやすく保温・保湿効果が高いため、湯冷めしにくく湯上り後の肌の乾燥が抑制されるという特徴があるとされています(熱の湯、四分六分の湯、玉の湯が該当)。

酸ヶ湯温泉は、かなり効能が豊かな泉質であると言えるでしょう。

そして、「酸ヶ湯温泉旅館」様の夕食は、地元青森の旬の食材をふんだんに使用したお膳料理を楽しみました。

【夕食】
 

 

【夕食】






5 源泉・元湯・引湯・かけ流し・循環について

温泉に関し、「源泉かけ流し」などのワードがよく出てきます。
以下では、「源泉」「元湯」「引湯」「かけ流し」「循環」という各語句の意味について、ご説明させていただきます。

(1)源泉・元湯

「源泉」とは、温泉施設の所在地に源泉が存在しているもののことです。
「元湯」とは、温泉施設が独自で持っている源泉のことであり、下記の引湯の対となるものです。

(2)引湯

「引湯」(いんとう・ひきゆ)とは、温泉施設の所在地とは別の場所に源泉があり、給湯管を通して温泉を引いているもののことです。
厳密に言えば、足元湧出の源泉以外の浴槽はすべて引湯となります。
また、大きく分けると、温泉地内での引湯と、温泉地外からの引湯に分けられます。

(3)かけ流し

「かけ流し」とは、浴槽に新しい湯を常時供給し続けてあふれさせ、湯の循環・再利用を行わないもののことです。
新鮮な湯を楽しむことができますが、湯の湧出量が相当量必要となります。
下記の循環の対となるものです。

(4)循環

「循環」とは、浴槽の湯を循環器具(ポンプ)により循環させ、循環の過程でろ過・消毒・加温を行うもののことです。
多くは新しい湯も加えながら循環しています。
循環が適正に行われれば衛生面に優れるものの、温泉の成分が損なわれる可能性が否定できず、塩素消毒による塩素臭がする場合もあります。

6 奥入瀬渓流温泉

奥入瀬渓流温泉は、十和田市にある温泉郷です。
1963年(昭和38年)に約12km離れた猿倉温泉から引湯し、開湯しました。
かつての名称は十和田湖温泉郷でしたが、2020年(令和2年)に奥入瀬渓流温泉に名称変更されました。

2024年3月某日、奥入瀬渓流温泉を訪れました。
奥入瀬渓流温泉には何度も来たことがありましたが、この日は「野の花 焼山荘」様に宿泊しました(過去には、「野の花 焼山荘」様、「八戸市民保養所 洗心荘」様、「温泉旅館 遊魚荘」様、「奥入瀬渓流温泉 灯と楓」様に宿泊したことがあり、「野の花 焼山荘」様には再訪となります。なお、「八戸市民保養所 洗心荘」様は、2024年3月24日をもって営業終了となったとのことです)。

【旅館の外観】

「野の花 焼山荘」様の館内掲示を見ると、温泉の泉質は「単純温泉(低張性中性高温泉)」であることが分かります。
浴用(入浴)の適応症と禁忌症は、以下のとおりです。

【旅館の外観】

「野の花 焼山荘」様の館内掲示を見ると、温泉の泉質は「単純温泉(低張性中性高温泉)」であることが分かります。
浴用(入浴)の適応症と禁忌症は、以下のとおりです。

【浴用の適応症】

一般的適応症
筋肉もしくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
泉質別適応症
自律神経不安定症、不眠症、うつ状態

【浴用の禁忌症】

一般的禁忌症
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍または高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
泉質別禁忌症
なし

ここで、「単純温泉」について、ご説明いたします。
「単純温泉」は、日本にある温泉の中で最も多い泉質であると言われています。
「単純温泉」とは、成分が単純という意味ではなく、含有成分の量が他の泉質名が付く規定値に達していない温泉のことです。
温泉成分が薄く刺激が少ないため、湯あたり(長時間または繰り返し温泉に入浴することにより引き起こされる頭痛・めまい・吐き気などの体調不良)しにくく、子どもから高齢者まで安心して入浴できる「やさしい湯」であると言えます。
また、刺激が少ない温泉であるため、脳卒中のリハビリなどにも利用されています。

単純温泉は、温泉成分が薄いとは言っても、様々な成分が含まれており、実際には入浴剤を入れた風呂あるいはそれ以上の濃度を持っていることがほとんどです。
どのような温泉成分を含有しているかは、その温泉ごとに異なります。
奥入瀬渓流温泉(猿倉温泉からの引き湯)は、硫黄とカルシウム(石灰)の含有が多いという特徴があります。

「野の花 焼山荘」様では、青森ひば造りの内風呂と露天風呂(石風呂)でかけ流しの温泉を楽しむことができます。
さらりとしたなめらかな湯で疲れを癒しました。

【夕食】
 

【朝食】

【夕食】




【朝食】

そして、「野の花 焼山荘」様のお食事は、地元の食材を使用した手作りのお料理を楽しむことができます。
青森の旬と郷土の味を美味しくいただきました。

7 温泉ソムリエ検定

2024年2月18日、「温泉ソムリエ検定試験」に合格いたしました。

【温泉ソムリエ認定証(IDカード)】

温泉ソムリエは、温泉ソムリエ協会が運営する民間資格であり、温泉の知識と正しい入浴法を身に着けていることを認定するものです。
そして、温泉ソムリエの資格を取得後、温泉ソムリエ検定試験を受験・合格することにより、“真の温泉ソムリエ”という証明を得ることができます。

今後も温泉を楽しみながら、温泉に関する学習・理解を深めて参りたいと存じます。

8 おわりに

温泉は、特に寒い冬の季節に恋しくなりますが、季節を問わずに楽しめるものです。

雪がとければ、遠方にある温泉に足を伸ばしやすくなりますし、山奥など豪雪地帯にある温泉にもアクセスが容易になります。
また、青森県などの雪国では、冬季は積雪等により休業となる温泉もあり、春以降はそのような温泉にも出掛けることができるようになります。

次回以降のコラムでは、春以降に訪れた温泉をご紹介したいと思います。

(弁護士・木村哲也)

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