1 事案

強制わいせつの疑いで被疑者が逮捕・勾留されていたところ、被疑者ご本人とそのご家族から、速やかに釈放させてほしいとのことで、ご依頼を受けました。

2 背景

被疑者は、強制わいせつの疑いで逮捕・勾留されていたところ、避けられない用件が間近に迫っているため、速やかに釈放させてほしいとのご希望でした。
この用件とは、ここでは具体的な言及はできませんが、被疑者の今後の人生に関わる非常に重要な用件となります。
その用件は、ご依頼時から12日後に迫っていました。
そのため、被疑者は、何としても、その前日には釈放されて準備をする必要がありました。
当事務所の弁護士は、被疑者からこのような事情をお聞きし、速やかな釈放に向けて準備を進めていくことになりました。
今回のご依頼は、速やかな釈放が当面の目標となりますが、最終的な刑事処分としては、事案の性質、被疑者の身上・経歴等から、不起訴処分となることが十分に見込まれました。
よって、当事務所の弁護士は、速やかな釈放を第1の目標として、その次に、不起訴処分の獲得に向けて活動していくことを弁護方針としました。

3 当事務所の活動と結果

(1)検察官の職権による釈放に向けた交渉

この被疑者の人生に関わる重要な用件というのは、誰もが詳しい事情を知れば得心のいくものでした。
そのため、当事務所の弁護士は、検察官と対立する形で弁護活動を進めていくよりも、検察官に詳しい事情を説明してその協力を得た上で活動していくことが、釈放に向けて最善の対応であると判断しました。
ここでの検察官の協力とは、検察官の職権による釈放を実現することです。
実際のところ、このように早急に釈放の必要性がある事案について、検察官は被疑者から詳しい事情を聞いていないことが多いものと考えられます。
当事務所の弁護士は、金曜日にご依頼を受けたのですが、土日に被疑者と面会を重ねて(弁護士であれば土日祝でも24時間いつでも接見することが可能です)事情を詳しく聴取して、被疑者の現状を説明する報告書を作成し、月曜に担当の検察官と連絡を取り、報告書の内容を検察官に確認させました。
そうしたところ、担当の検察官は決裁官の判断を仰いだようで、検察庁としてもそのような事情であれば被疑者の釈放の必要性があると考えるものの、被害者がいる犯罪であるから、被害者の処罰感情を無視することができず、被害者との示談が成立すれば勾留満期を待たずに釈放できるとの回答を得ました。
また、一般的には示談が成立したことを検察官に証明するには示談契約書の取り交わしが必要となりますが、今回は事案の緊急性にかんがみて、書面の取り交わしに至らずとも、検察官において口頭の合意を確認できれば釈放できるとの回答を得ました。

今回の事案において、被害者はご依頼の時点で遠方に居住しており、示談契約書の取り交わしは郵送によって行うことになります。実際問題として、土日を挟んでいたため、金額の交渉をする時間を含めて考えると、ご依頼から12日間で示談契約書の取り交わしを終えることは間に合わないものと考えられました。

(2)当事務所の弁護士の活動

当事務所の弁護士は、このような検察官からの回答を得て、被疑者とも打ち合わせを行ったところ、多少金額を譲歩してでも速やかに被害者との示談を口頭で成立させる方針としました。
そこで速やかに被害者と連絡を取り、金額の面で交渉を重ねていきました。
被害者は、当初はっきりとした態度をとらなかったものの、当事務所の弁護士が説得を重ねていった結果、ご依頼から1週間で口頭での示談を成立させました。
その後、検察官に示談が成立した旨を連絡したところ、検察官から被害者に確認の連絡を取るために時間を要し、土日を挟んだ関係で勾留延長がされてしまいました(なお、この勾留延長に際し、検察官は10日間で延長請求を行ったようですが、当事務所の弁護士が示談契約の成立状況や被疑者の現状について内容をまとめた書面を作成し、勾留延長はすべきでないとする意見書を担当裁判官に提出したところ、5日間の範囲で延長が認められる決定となりました)。
しかし、週明けすぐに検察官が被害者に示談の成立を確認し、確認後の翌日に被疑者は釈放されることになりました。
ご依頼から11日目、勾留延長満期前に釈放となり、何とか被疑者の用件に間に合うタイミングで釈放させることに成功しました。

(3)示談契約書の取り交わしと不起訴処分の獲得

釈放から間もなく、被害者との郵送での示談契約書の取り交わしを終え、ご依頼から17日目で不起訴処分を獲得し、ご依頼の件は終了となりました。
これにより、被疑者は無事に用件を済ませることができました。

4 解決のポイント

本件は、釈放が遅れることは被疑者の人生に関わるため、あらゆる手段を尽くして被疑者の釈放を実現する必要がありました。
一時的な釈放の手段を含めて、被疑者の釈放のためには、勾留に対する準抗告や勾留の執行停止の申し立てをすることが考えられます。
しかし、今回のご依頼の件は、諸般の事情に鑑みて、検察官に事情を話して釈放のための条件を聞き出して、その条件の達成に向けて活動することが最善であると当事務所の弁護士は判断しました。
このように、検察官と弁護士は、本来は利害が対立する当事者同士であるものの、事案によっては検察官に協力を求めることが最善と判断されることがあります。

刑事事件において、どのような活動が最善であるかの判断は極めて専門的であり、弁護士を活用することが不可欠です。
ご家族が逮捕・勾留されてお困りの方や、逮捕・勾留されていなくとも捜査機関から捜査を受けていてお困りの方は、刑事事件を得意とする当事務所の弁護士にご相談ください。

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