はじめに

交通事故の被害にあった場合、被害者が請求できる損害は、人身損害(傷害・死亡による損害)、物的損害(物損)の2つに分類されます。
このページでは、物的損害について説明します。

人身損害はこちら
●損害賠償の範囲について・その1(人身損害)

物的損害の内容

物的損害とは、車両修理費、レッカー費用、代車使用料など、交通事故のために損傷した自動車などの「物」に関する損害のことをいいます。
交通事故の被害者は、次のような物的損害の賠償を請求することができます。

修理費

修理が相当な場合は、適正な修理費の請求が認められます。

車両時価額

修理費が車両時価額を上回る場合は(これを「経済的全損」といいます)、車両時価額に買替諸費用を加えた金額の請求に限り認められます。

車両時価額は、同じ車種、年式、同程度の使用状態、走行距離などの自動車を中古車市場で取得するための価額を基準とします。
一般的には、レッドブック(中古車の平均的な取引価格を車種、グレード、年式別にリスト化した、有限会社オートガイドから発行されている月刊誌「オートガイド自動車価格月報」の通称)により算出されます。
レッドブックに載っていない車両であれば、同じ車種、年式、グレード、走行距離などの条件を絞って、グーネット、カーセンサーネットなどインターネットで価格を検索し、極端に高いものや安いものを除いた平均値を車両時価額とするという算出方法がひとつ考えられます。

買替諸費用

経済的全損の場合、買替のために必要となった登録費用、車庫証明費用、納車費用、廃車費用、自動車税環境性能割を請求することができます。
なお、事故車両の自賠責保険料、新しく取得した車両の自動車税種別割、自動車重量税、自賠責保険料の請求は認められませんが、事故車両の自動車重量税の未経過分の請求は認められます。

評価損

車体に大きな損傷を受けるなどして、修理しても外観や機能に欠陥を生じ、または事故歴により商品価値(車両時価額)の下落が見込まれる場合、その賠償を請求することができます。
これを「評価損」といいます。

評価損が認められる場合、その額は修理費の1割から3割程度が目安ですが、修理費の4割程度を認めた裁判例もあります。

代車使用料

修理または買替に必要な相当期間、代車が必要であったために使用したという場合、その代車使用料を請求することができます。

①代車使用料が認められるためには、バス・電車などの公共の交通機関やタクシーの利用では不十分であり、事故車両の代わりとなる車両を保有していなかったという「代車使用の必要性」がなければならず、②代車費用が認められる期間は、修理または買替に通常必要な相当期間分に限られ(損傷の程度や車種などによりますが、修理で1~2週間、買替で1~2か月がひとつの目安です)、③代車の種類(グレード)は、特段の必要性がなければ、事故車両と同じ種類(グレード)でなければならないものではありません(事故車両と同車種の外国産高級車を代車として使用したケースで、国産高級車で十分代替できると判断し、代車使用料を一部しか認めなかった裁判例もあります)。

休車損

営業車の場合、修理または買替に必要な相当期間、稼働していれば得られたであろう利益を喪失したことによる損害があれば、その賠償を請求することができます。
これを「休車損」といいます。

①休車損が認められるためには、事故車両の代わりとなる車両を保有していなかったことが必要であり、②休車損の認められる期間は、修理または買替に通常必要な相当期間に限られます(損傷の程度や車種などによりますが、修理で1~2週間、買替で1~2か月がひとつの目安です)。

その他

事故車両の引き揚げ費用・レッカー費用、修理費見積費用・時価額査定費用、積荷・携行品の修理費・時価額など、交通事故と因果関係のある損害の賠償を請求することができます。

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●交通事故に関する弁護士費用
●重大な事故の場合の弁護士費用(交通事故)

交通事故についてはこちらもご覧下さい

●交通事故の被害でお悩みの方へ
●解決までの流れについて(交通事故の被害者側)
●損害賠償の範囲について・その1(人身損害)
●損害賠償の範囲について・その2(物的損害)
●後遺障害(後遺症)について
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