セミナー・講演の実施

2018年5月17日、八戸シティ法律事務所にて、地域の運送会社を対象に、「運送会社のための残業代対策セミナー」を開催しました。

近年、企業・法人が退職した従業員から残業代の請求を受けるケースが増加しています。2017年には、某大手運送会社で、総額約230億円の残業代の支払が発生したことが報じられ、大きな話題となりました。

運送会社については、①長距離ドライバーなどは特に、労働時間が長くなりがちである、②ドライバーは、タイムカード等を利用しない場合でも、タコグラフなどにより、労働時間の立証が容易であるなどの特性から、残業代を請求されるリスクが高いと言えます。

このような背景を踏まえて、地域の運送会社の皆様に、残業代問題の基礎知識と予防策・対応策について理解し、残業代リスク回避のために役立てていただきたいと考えて、今回のセミナーを企画しました。

前半パート

セミナー

代表弁護士・木村哲也は、セミナーの前半パートを担当し、「残業代対策の基礎知識と予防策」と題する講演を行いました。内容としては、残業代問題の概要や残業代の計算方法、残業代の発生を抑制する対策としての①固定残業代の制度の概要および要件、②変形労働時間制の概要および要件、そして、③労働時間の管理において注意すべきポイントなどについて解説させていただきました。

【講演内容】
1 残業代問題とは
(1)残業代問題の概要
(2)残業代の計算方法
(3)付加金と遅延損害金
2 固定残業代
(1)固定残業代とは
(2)固定残業代の制度が有効とされるための要件
(3)固定残業代の制度を導入するに当たっての注意点
(4)固定残業代の制度が無効とされる例
3 変形労働時間制
(1)変形労働時間制とは
(2)1か月単位の変形労働時間制を導入するに当たっての要件
4 労働時間の管理
(1)改善基準告示と特例通達
(2)労働時間の管理の必要性
(3)乗務前の準備時間・乗務後の片付け時間について
(4)停車時間(荷待ち時間・休憩時間)について

後半パート

セミナー

弁護士・山口龍介および弁護士・三上大介は、セミナーの後半パートを担当し、「残業代請求を受けた場合の対応」と題する講演を行いました。内容としては、内容証明郵便が送付されてきた場合の対応、合同労組(ユニオン)から団体交渉を申し込まれた場合の対応、裁判所からの書面が届いた場合の対応、請求内容を検討する際のチェックポイントについて、実践的な視点も踏まえた上で、解説させていただきました。

退職した従業員から残業代の請求を受けた場合に、適切な対応を取らずに放置しておくと、後々取り返しのつかない事態に陥ってしまう危険があります。そのため、任意での交渉、団体交渉、労働審判・民事訴訟といった各手続の特徴や違いを理解し、それぞれの基本的な対応方法を押さえておくことが重要となります。

また、近時、合同労組(ユニオン)の活動も活発であり、残業代問題に関する団体交渉に力を入れているなどの動きも確認されているところです。こうした近時の動向についても把握し、いざというときのために備えておくことが大切です。

【講演内容】
1 内容証明郵便が送付されてきた場合の初動
(1)書面を受け取った場合の初動対応
(2)書面を受け取った際の検討事項
2 合同労組から団体交渉を申し込まれた場合の初動
(1)合同労組(ユニオン)とは
(2)団体交渉前の調整事項
(3)団体交渉に臨むにあたっての留意点
3 裁判所からの書面を受け取った場合の初動
(1)書面を受け取った場合の初動対応
(2)民事訴訟の特徴
(3)労働審判の特徴
4 要求内容を検討する際のチェックポイント
(1)労働時間と休憩時間について
(2)手当の支給について
(3)時効に関する注意点