セミナー・講演の実施

2018年4月18日、八戸シティ法律事務所にて、弁護士による保険代理店向け勉強会「保険代理店が法人営業のために押さえておきたい!メンタルヘルス・労災リスクと対策のポイント」を開催しました。

近年、企業が従業員のメンタルヘルス・労災の問題によって法的責任を追及されるケースが増えています。
従業員のメンタルヘルス・労災の問題が発生した場合に問われ得る企業責任としては、労働基準法や労働安全衛生法等の法令違反による刑事責任(書類送検や罰則の適用)、企業の安全配慮義務違反(※)による民事上の損害賠償責任などがあります。

※企業は、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務を負います(労働契約法5条)。この義務のことを、安全配慮義務と言います。

企業に安全配慮義務違反が認められて損害賠償請求を受ける場合、企業は労災保険で填補しきれない多額の損害に対して賠償責任を負うことになります。
こうした企業の賠償責任リスクを填補するための保険商品として、労災保険の上乗せ保険や使用者賠償責任保険といったものがあるのですが、その販売・普及はまだまだ進んでいないのが現状です。
しかし、保険代理店の顧客である企業を賠償責任リスクから守るとともに、労災の被害に遭った従業員・遺族を救済するために、販売・普及を推進すべき保険商品であると考えられます。

このような考えのもと、労災保険の上乗せ保険や使用者賠償責任保険といった保険商品の販売・普及に役立てていただければと願って、保険代理店向けに今回の勉強会を企画させていただきました。

メンタルヘルス・労災と企業の法的責任について

代表弁護士・木村哲也は、勉強会(講座)の前半パートを担当し、「メンタルヘルス・労災と企業の法的責任について」と題する講演をいたしました。

【講演内容】
1 従業員が精神疾患になった場合に問われ得る企業責任
(1)労働基準法・労働安全衛生法等の違反による刑事責任
(2)労働基準法・労災保険法による労災補償責任
(3)民事上の損害賠償責任
2 安全配慮義務とは?
(1)設備・作業環境面の安全配慮義務
(2)人的措置面の安全配慮義務
(3)労働基準法・労働安全衛生法等の法令を遵守していれば足りるか?
(4)過労死や過労自殺について安全配慮義務違反に問われ得るか?
3 企業のメンタルヘルス・過重労働防止対策
(1)上司等が部下の心身の状態を観察
(2)従業員が精神疾患と診断された場合の対応
(3)残業時間の抑制
(4)ストレスチェックの活用

メンタルヘルス・労災の企業賠償リスクと対策について

勉強会(講座)の後半パートは、弁護士・山口龍介ほかが担当し、「メンタルヘルス・労災の企業賠償リスクと対策について」と題する講演をさせていただきました。
どのようなケースで安全配慮義務違反が認められるのか、具体的な損害賠償の内容・金額、過失相殺の問題、企業賠償リスクへの対策として保険代理店としてどのような提案ができるのか、などの諸点について解説させていただきました。

【講演内容】
1 安全配慮義務違反が認められるケース
(1)長時間労働が問題となったケース
(2)職場内でのいじめが問題となったケース
2 損害賠償とは?
(1)損害賠償の意義
(2)労災給付について
(3)損害賠償と労災給付の違い
3 損害賠償の金額
(1)労災給付の金額と損害賠償の金額の対比
(2)労災保険だけで足りるのか?
4 過失相殺について
(1)過失相殺の意義
(2)過失相殺が認められた裁判例
(3)過失相殺が認められなかった裁判例
5 企業賠償リスクへの対策について
(1)企業賠償リスクの具体例
(2)企業賠償リスク対策の必要性
(3)保険商品の導入によるリスク対策

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