セミナー・講演の実施

2017年10月19日、八戸シティ法律事務所の主催で、第6回企業法務実務セミナー「従業員の退職時に発生しやすいトラブルと対処法」を開催いたしました。

前半パート

セミナー

弁護士・木村哲也は、セミナーの前半パートを担当し、従業員の引継義務と、留学費等の返還請求をテーマにお話しさせていただきました。

従業員の退職時には、有給休暇を大量消化して退職し、業務の引き継ぎをしようとしない従業員にどう対応するかといった問題が発生することがあります。また、会社が従業員のために留学費用・資格取得費用・研修費用などを支出したのに、すぐにその従業員が退職してしまったという場合に、会社はその従業員に対して留学費用等の返還を請求できるのかといった問題があります。

講演では、①従業員の引継義務に関する基礎的な知識から、従業員にスムーズに引継義務を履行していただくための方策についての解説、②留学費等の返還請求に関する一般論と、返還請求が認められた事例・認められなかった事例についての解説を中心にお話しさせていただきました。

【講演内容】
1 従業員の引継義務
(1)従業員の引継義務とは
(2)就業規則に引継義務と懲戒処分の規定を置くこと
(3)従業員に有給休暇の計画的な消化を促すこと
(4)有給休暇の未消化分の買い上げを行うこと
(5)休日出勤を命じて引き継ぎをさせること
2 留学費等の返還請求
(1)留学費等の返還が認められるか否かの判断基準
(2)返還請求が認められなかった裁判例
(3)返還請求が認められた裁判例
(4)裁判例から導かれる会社側の対応判断のポイント
(5)トラブルの防止策

後半パート

弁護士・山口龍介は、セミナーの後半パートを担当いたしました。後半パートでは、退職勧奨の限界事例と退職後の競業避止義務違反について、それぞれ、基本的な知識から押さえるべきポイントまで、事例を交えながら解説させていただきました。

【講演内容】
1 退職勧奨の限界事例について
(1)一般論と判断要素
(2)違法とされた事例・違法とされなかった事例の紹介・検討
(3)違法とされた場合に想定される慰謝料の金額
2 退職後の競業避止義務違反について
(1)競業避止義務が認められるための要件
(2)会社側の対応の留意点

勤務態度が悪いなどで辞めてもらいたい従業員がいる場合、適法な解雇には高いハードルがあることを踏まえると、会社としては、いきなり解雇するのではなく、まずは従業員の自主的な退職を勧めて促すべき(まずは退職勧奨をすべき)ということになります。ただし、退職勧奨といっても、あまりに行き過ぎた行為は、不当な強要行為として違法と判断されてしまうため、態様や言動には十分注意しなければなりません。

また、退職後の競業避止義務が認められるためには、原則として、従業員との間で競業避止義務に関する明確な合意があることが必要ですし、合意がある場合でも、その内容(制限の範囲)が合理的なものでなければ無効とされてしまいます。要するに、退職後の競業避止義務は、職業選択の自由を制限することを意味するところ、そう簡単には認められないということです。

所感

従業員の退職時には、引継義務、留学費用・資格取得費用・研修費用などの返還請求、退職勧奨、競業避止義務違反など、様々な問題が発生するリスクがあります。このような従業員の退職時に発生するトラブルに関することでご不明の点がありましたら、お気軽に八戸シティ法律事務所にご相談いただければと存じます。

講演終了後のアンケートの一部をご紹介します

アンケート1
アンケート2
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