セミナー・講演の実施

2017年2月16日、八戸シティ法律事務所の主催で、第4回企業法務実務セミナー「未払い残業代問題への対策」を開催いたしました。

前半パート

セミナー

弁護士・木村哲也は、セミナーの前半パートを担当いたしました。
前半パートでは、未払い残業代の計算方法や、計算の基礎となる労働時間とは何かといった基礎知識について、事例を交えながら解説させていただきました。

【講演内容】
1 未払い残業代の計算方法
・・・残業時間数×1時間当たりの賃金×(1+割増率)
2 労働時間について
(1) 労働時間の把握・管理義務
(2) 労働時間を証明するための証拠
(3) 労働時間とは(通勤時間、移動時間、持ち帰り残業、接待、社内行事など)
3 賃金単価と諸手当について
・・・残業代計算の基礎に含まれる手当と含まれない手当
4 様々な事例での残業代計算方法
(1) 時給制の場合
(2) 日給制の場合
(3) 月給制の場合
(4) 年俸制の場合
(5) 出来高制の場合

後半パート

セミナー

弁護士・山口龍介は、セミナーの後半パートを担当いたしました。
後半パートでは、企業には労働時間を管理・把握する義務があることや、残業代の支払が不要となる場合、そして、残業代問題への対策としてのみなし(固定)残業手当の導入や、残業事前承認制などについて、事例を交えながら解説させていただきました。

【講演内容】
1 残業代の支払が不要な場合
(1) 管理監督者
(2) 事業場外のみなし労働時間制
(3) 時効
2 紛争解決手続と注意点
(1) 付加金
(2) 遅延損害金
3 未払い残業代問題への対策
(1) 時間管理
(2) みなし(固定)残業手当の導入
(3) 残業代管理はどのようにしたら良いか

所感

近年は、従業員の退職時に企業が未払い残業代を請求されるケースが増加しています。
未払い残業代請求は、比較的容易に立証・請求ができて、金額も大きくなりやすいといった特徴があり、企業としてはしっかりと対策を練っていかなければなりません。

この点、残業代の支払が不要となる類型として、従業員が管理監督者に該当する場合が挙げられますが、裁判例を検討してみると、管理監督者であると判断されるハードルはかなり高いということが分かります。
また、事業場外のみなし労働時間制や、みなし(固定)残業手当を導入していても、きちんとした就業規則・給与規定等の整備とその完全な実践がなされていなければ、有効なものとして認められないこともあります。
そのため、企業としては、現在導入している制度とその運用をしっかりとチェックする必要がありますし、新たに制度を導入する場合には、そこに潜むリスクをきちんと把握することで、残業代問題への対策を練っていかなければなりません。

未払い残業代請求に関することでお困りの方がいらっしゃいましたら、弁護士にご相談いただければと存じます。

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