内容
熟年離婚の特徴と必要な準備
熟年離婚とは、結婚期間が長い夫婦の離婚のことです。当事務所では、熟年離婚に関するご相談・ご依頼をお受けすることがしばしばございます。今回のニュースレターでは、熟年離婚の特徴と必要な準備について、ご説明いたします。
1 熟年離婚の特徴
熟年離婚では、結婚期間が長いために財産分与の対象となる財産が多く、財産分与が高額となる傾向にあります。また、長い結婚期間の中で不貞行為(不倫・浮気)、DV(配偶者暴力)、モラハラ(精神的虐待)が行われるケースがありますが、十分な証拠が残っていない場合も少なくありません。
2 熟年離婚で揉めるケース
熟年離婚では、従前どおりの夫婦関係の継続にこだわり、相手方が離婚に応じようとしないケースがあります。また、親または自身の介護に対する不安、老後の生活に対する不安などから、離婚を拒むという場合もあります。相手方が頑なに離婚を拒否するために裁判などになる例も散見されます。さらに、高額の財産分与をめぐって対立し、離婚自体または離婚する場合の財産分与が争いになることも多いです。
3 熟年離婚と財産分与
前述のとおり、熟年離婚では長い結婚期間中に形成させた財産が多く、財産分与が高額化する傾向にあります。財産分与の対象となる財産としては、預貯金、生命保険、株式・投資信託、不動産、退職金など、様々なものが考えられます。これらの財産が結婚期間中に多く形成され、また老後に備えて多く蓄えられている例が多いのです。
4 熟年離婚において必要な準備
相手方が離婚を拒否する場合、裁判で離婚が認められるためには、①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないこと、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由という法律上の離婚原因のいずれかに該当する必要があります。この点、不貞行為などの証拠が確保できればよいのですが、法律上の離婚原因および証拠に乏しい場合に備え、まずは別居するという対策が考えられます。長期間の別居が継続し、夫婦関係が破たんしていると認められれば、上記⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由に該当し得るためです。また、財産分与に備えて相手方の財産の調査・証拠確保、離婚後の生計の検討などが必要でしょう。
5 弁護士にご相談ください
熟年離婚では揉めるケースも少なくありませんし、離婚後の生活に不安をお持ちの方もいらっしゃると存じます。皆様の周りに熟年離婚についてお困りの方がいらっしゃいましたら、当事務所をご紹介ください。

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