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内容

企業のカスハラ対策について

近年、カスタマーハラスメント(カスハラ)に悩む企業様からのご相談が増えています。今回のニュースレターでは、企業のカスハラ対策についてご説明いたします。

1 カスハラとは
カスハラとは、顧客からのクレームのうち、要求内容が妥当性を欠くもの、または要求を実現するための手段・態様が不相当なものであって、それにより従業員の就業環境が害されるもののことです。

【カスハラの例】
暴力をふるう、暴言・罵声を浴びせる、怒鳴る、長時間電話する、時間外・深夜・休日の対応を要求する、インターネット・SNSに書くと脅す、セクハラまがいの言動をする、土下座を要求する、金品を要求する、担当者の解雇を要求する、など。

2 企業のカスハラ対策
企業には、職場環境を調整する安全配慮義務の一環として、カスハラ対策の措置を講じる義務があるとされています(東京地方裁判所平成11年4月2日判決など)。カスハラの放置により従業員が被害を受ければ、企業が損害賠償責任を負う可能性があります。企業のカスハラ対策としては、次のような事項が考えられます。

①顧客と対等な関係を構築すること:例えば、顧客からの要望を何でも受け入れるのではなく、無理な要求であればお断りすることが大切です。対等な取引相手であることを前提とする付き合い方は、不当な要求を受けることの防止に繋がります。

②カスハラ対策の社内体制を整備すること:経営者が従業員に対し、ⅰ不当な要求を拒否する、ⅱ不当な要求をする顧客は取引停止とする、ⅲ不当な要求をする顧客から従業員を守る、ⅳ不当な要求には組織で対応する、などのメッセージを伝えます。また、ⅰ初期対応の方法、ⅱ社内の相談先・共有方法、ⅲ正当なクレームとカスハラの区別の基準、ⅳ対応に関する最終的な意思決定者、ⅴ重大案件に関する意思決定の方向性など、対応の方針を策定するようにしましょう。

③弁護士に相談・依頼できる体制を作ること:カスハラ対応は精神的な負担と業務上の支障が大きいため、弁護士に対応を相談・依頼できる体制を作るとよいでしょう。

3 カスハラと刑事責任
土下座や謝罪を要求する行為は強要罪(刑法223条)、会社・店舗等からの退去を求めたのに退去しない場合には不退去罪(刑法130条)に当たる可能性があります。

4 弁護士にご相談ください
当事務所では、カスハラ対策・クレーム対応に関する取扱経験と対応実績が豊富にございます。カスハラにお困りでしたら当事務所にご相談いただければと存じます。

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