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内容

長らく放置された相続手続は早めの解決を

当事務所では、相続に関するご相談・ご依頼を多数お受けしております。その中には、相続手続が未了のまま、何年も放置されている事案も散見されます。今回のニュースレターでは、長らく放置された相続手続の問題について、ご説明させていただきます。

1 相続手続が放置される理由
相続放棄をするか否かの判断の期限が3か月、相続税の申告納付・特例適用の期限が10か月であることから、基本的に相続手続は早期に解決することが望まれます。しかし、相続放棄や相続税の申告納付が不要な事案では、相続手続をすぐに行わなくても一見実害がないように見え、①相続人同士の仲が良くない、②遺産分割の話し合いがまとまらない、③誰も相続手続の話を切り出さない、④仕事や家事が忙しくて相続手続に着手できない、⑤相続登記手続に費用がかかるので躊躇している、などの理由から、相続手続が何年も放置されていることが珍しくありません。

2 相続手続を放置することによるリスク
実は、相続放棄や相続税の申告納付が不要な事案であっても、相続手続を長らく放置することには、様々なリスクがあります。まず、相続手続を何年も放置していると、相続人の中で亡くなる人が出てくることが考えられます。そうすると、亡くなった相続人の配偶者・子が代襲相続するなど、相続人の人数が増え、手続が複雑になります。また、相続人の中で認知症になる人が出てくれば、相続手続を進めるためには成年後見制度の利用を家庭裁判所に申し立てる必要があり、手続がさらに複雑化します。そして、不動産の名義が被相続人のままになっていれば、売却処分などの手続が進められなくなるという問題点もあります。

3 不動産の相続登記手続の義務化
不動産の相続登記手続については、法改正により、2024年4月1日から義務化されます。相続登記手続が義務化されると、不動産を相続したことを知ってから3年以内に、相続登記手続をしなければならなくなります。そして、相続登記手続を正当な理由なく怠れば、罰則(10万円以下の過料)の適用を受ける可能性があります。不動産の相続登記が義務化された理由は、相続登記が未了のまま放置されることがこれまでは多く、長年を経て所有者が分からなくなる事態が生じていたために、不動産の取引や公共事業・再開発などの支障となっていたことがあります。

4 長らく放置された相続手続の解決は弁護士に相談を
以上のように、相続手続を長らく放置していれば手続がより複雑化しますし、不動産の相続登記手続の義務化も控えていますので、専門家である弁護士にお早めにご相談いただくことをお勧めいたします。

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