【表面】(PDF242kb)

【裏面】(PDF163kb)

表面の内容

未収金問題を発生させないための取引契約書・その2

前回のニュースレターでは、未収金問題を発生させないために取引契約書に盛り込むべき内容のうち、連帯保証人、保証金、所有権留保条項、期限の利益の喪失条項についてご説明させていただきました。今回のニュースレターでは、これらの事項以外にも取引契約書に盛り込むべき内容をご紹介させていただきます。未収金対策に取り組まれる際の参考にしていただければと存じます。

1 不安の抗弁権
不安の抗弁権とは、取引の相手方の財産状況が著しく悪化したときに、相手方からの給付または担保の提供があるまでは、自社の給付の履行を拒絶することができる権利のことを言います。例えば、商品の売買契約書で、「売主が代金債権の保全のために必要と認めたときは、買主から適切な保証を受け取るまで、商品の引渡しを中止することができる」旨の条項を盛り込むことなどが考えられます。

2 契約の解除
「取引の相手方に契約違反などがあったときには、契約を解除することができる」旨の取り決めを取引契約書に盛り込むのが通常です。さらに、未収金対策の観点からは、契約違反などに加えて、「取引の相手方が第三者から差押え・仮差押え・仮処分を受けたとき、その他財産状況が著しく悪化し、またはそのおそれがあると認められる相当の理由があるときには、契約を解除することができる」旨の定めを置くべきです。

3 相殺
相殺とは、自社が取引の相手方に金銭の支払を求める債権を有し、逆に取引の相手方も自社に金銭の支払を求める債権を有するときに、お互いの債権を差し引きして帳消しにすることを言います。相殺は、現金が手元に入ることはありませんが、支払の義務を消滅させられることで、債権の回収を実現したのと同様の効果を得ることができます。お互いに金銭の支払義務が発生する取引形態の場合には、取引契約書の中に、債権債務の弁済期のいかんにかかわらず、対当額にて相殺可能な旨の条項を設けるべきです。

4 情報提供
取引の相手方の財産状況を定期的に確認しておくことは、未収金対策の観点から非常に有効であると言えます。そこで、取引契約書において、取引の相手方の財産状況を把握できる仕組みを盛り込むことが考えられます。例えば、取引の相手方に対し、定期的に(年1回など)、監査済みの貸借対照表、損益計算書、その他自社が求める書類の提出を義務付ける内容の規定を置くことなどが考えられます。

未収金対策を意識した取引契約書は、取引の実態や当事者の関係性などから、様々な内容のものが考えられます。契約書のチェック・作成は、当事務所にご相談ください。

裏面の内容

今回のニュースレターでは、当事務所の近況といたしまして、①第2回税理士向け勉強会「事業承継・M&Aのリスク管理のポイント」を開催したこと、②司法試験受験者・法科大学院生を対象とするサマークラークを開催したことをご報告させていただきます。

1 第2回税理士向け勉強会
2019年7月9日、当事務所の主催で、第2回税理士向け勉強会「事業承継・M&Aのリスク管理のポイント」を開催いたしました。

事業承継とは、会社などの事業を後継者に引き継ぐことを言います。近年では、中小企業の経営者の高齢化が進んでいますが、後継者が決まらないなどの原因のために、事業承継が十分に進んでいないのが現状です。事業承継には、後継者選びやM&A、自社株の評価や株式の分散など、様々な課題をクリアしなければなりません。事業承継には5年~10年程度かかるのが一般的であると言われていますから、早めに対策を取る必要があります。

セミナーでは、講師を務めた代表弁護士・木村哲也が、ご出席いただいた税理士の方々に対し、事業承継の現状や国による事業承継推進のための施策、事業承継の準備における注意点などについて、ご説明させていただきました。

2 サマークラーク
2019年7月18日と19日の2日間、司法試験受験者・法科大学院生を対象とするサマークラークを開催いたしました。サマークラークは、司法試験受験者・法科大学院生向けの夏季休暇中の短期間研修制度のことを言います。当事務所では、新人弁護士の採用に注力しており、その取り組みの一環として、昨年からサマークラークを開催しております。

今回は、サマークラークの募集に対して応募があった中から、2019年の司法試験受験者3名および法科大学院生1名の合計4名を採用し、上記の2日間の日程でサマークラークを開催いたしました。

サマークラークの具体的な内容としては、法律事務所の業界動向や当事務所の取扱業務に関する解説、当事務所の弁護士・事務職員との座談会、当事務所出題の課題など、様々なメニューに取り組んでもらいました。また、1日目のメニュー終了後には懇親会、2日目のメニュー終了後には八戸市内の観光を実施しました。参加者4名の皆様には、八戸市で弁護士として活躍する魅力や当事務所の取り組みについて、しっかりとお伝えすることができたと思います。