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内容

不倫慰謝料を請求する際に必要となる証拠

不倫慰謝料を請求する際には、不倫の事実があったことの裏付けが必要であり、不倫の事実を客観的に証明できる証拠が必要となります。そこで、今月号のニュースレターは、不倫慰謝料を請求する際に必要となる証拠について、ご説明させていただきます。

1 証拠はなぜ必要か?
不倫慰謝料を請求する場合には、相手方が不倫の事実を否定してきた場合に備えて、不倫の事実を証拠によって証明できるようにしておかなければなりません。当初は相手方が不倫の事実を認めていたものの、後になってから一転して、不倫の事実を否定して争ってきたというケースも実際にあります。そのため、相手方が不倫の事実を認めているという場合であっても、十分な証拠を確保しておくことが理想的です。

2 どのような証拠が必要となるのか?
不倫の証拠としては、2人でホテルに入ったところを撮影した写真やビデオが代表的です。また、それ以外でも、相手方が不倫の事実を認めたことが分かるメールや書面(手紙、誓約書など)、性行為の様子や肉体関係があったことを前提とする内容が記載されたメールやLINEなどは、不倫の事実を客観的に証明できる証拠となります。

3 証拠についての注意点
ただ単に仲良くしているような内容のメールやLINE、あるいは2人で写っているだけの写真では、不倫の証拠としては弱いです。証拠として弱いというのは、不倫慰謝料を請求して、結果的に交渉でうまく解決できればよいですが、不倫の事実の存在を争われるなどして裁判となった場合には、良い結果は期待できないということです。

裁判では、直接的な証拠であることが求められます。第三者を「不倫があったことは間違いない」と説得できるものでなければ、良い結果は期待できないということです。メールやLINEであれば、単に頻繁なやり取りがあったというだけでは不倫の証拠にはなりませんし、あいまいな表現では足りず(様々な言い訳をされてしまう)、肉体関係があったと分かるようなかなり直接的な単語が用いられていなければ、不倫の事実を証明することは難しくなります。また、写真については、相当親密であることが第三者から見ても分かるような様子でないと、不倫の証拠としてはかなり弱いです。

当事務所でも、法律相談の際に、「間違いなく不倫している。証拠のメールや日記もある」というお話をお聞きして、実際にメールや日記を確認すると、弁護士から見れば「不倫の事実を証明する証拠としては弱い」と感じることが、しばしばあります。不倫慰謝料を請求する際には、不倫の事実を裏付けるための十分な証拠があるかの検討がまずは必要となります。皆様の周りに不倫慰謝料を請求することをお考えの方がいらっしゃいましたら、当事務所をご紹介いただければと存じます。

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