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内容

歩行中の高齢者の交通事故被害について

統計上、12月は月別の交通事故発生件数、交通事故死者数ともにピークとなります。今回のニュースレターでは、交通事故の被害事案において、特に危険性が高いと言われる歩行中の高齢者の交通事故被害について、ご説明させていただきます。

1 歩行中の高齢者の交通事故被害の特徴
我が国では高齢化が進行しており、高齢者が交通事故被害に遭うケースが多く発生しています。交通事故死者数に占める高齢者の割合は昨年の統計で約54%であり、その割合は非常に高いものです。高齢者が交通事故に遭いやすい要因としては、加齢により身体能力や判断能力が衰え、歩く速度が遅いために横断歩道を渡り切れないとか、歩行中に急に転倒してしまうとか、交通状況の判断や危険の回避行動が遅れるなどの事情により、交通事故被害に遭う危険性が高いことなどが考えられます。また、高齢者は、体力の衰えにより、交通事故被害に遭った場合に重傷化あるいは死亡してしまう可能性が高いと言えます。

2 歩行中の高齢者の交通事故被害を防ぐための対策
警察などにおいて、高齢者の交通事故被害を防ぐための対策として、ポスターやチラシの配布による、高齢者やドライバーに向けた広報啓蒙活動などが行われています。また、高齢者やその家族において、できる限り家族で一緒に行動するようにするとか、ドライバーに目立ちやすい服装をするなどの対策を取ることが考えられます。もちろん、ドライバーにおいても、歩行中の高齢者の存在を想定して、より慎重な運転を行うべきです。

3 損害賠償請求における諸問題
歩行中の高齢者が交通事故の被害に遭われた場合には、加害者側の保険会社から示談の提示がなされますが、その金額は裁判で認められるべき適正な損害賠償額の基準を下回るのが常です。また、保険会社からは、歩行中の高齢者の側にも落ち度があったとして、過失相殺の主張をすることで、より低い金額の示談提示がなされるケースも多々あります。しかし、社会では高齢化が進行している以上、ドライバーには歩行中の高齢者の存在を前提とした安全運転が求められているのであり、安易に過失相殺が認められるべきではありません。また、被害者やその家族が適正な損害賠償金を受け取ることは、当然の権利です。

4 交通事故問題に精通した弁護士にご相談ください
被害者やその家族が適正な損害賠償金を受け取るためにも、裁判で認められるべき適正な損害賠償額の算定・主張や、保険会社側からの過失相殺の主張への対抗など、交通事故問題に強い弁護士のサポートのもとに示談交渉や訴訟の手続に臨むことが大切です。当事務所では、高齢者の交通事故被害の事案について、これまでに多数のご相談・ご依頼をいただき、解決実績も豊富にございます。皆様の周りで高齢者の交通事故被害についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非、当事務所をご紹介いただければと存じます。

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