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ニュースレター36-1

内容

慰謝料の相場について

ご相談の中で、「慰謝料をいくらくらい請求できますか?」あるいは「慰謝料として、いくらくらい支払わないといけないのでしょうか?」というご質問を受けることがよくあります。慰謝料は精神的苦痛に対する賠償ですので、そもそもお金に換算すること自体が難しいです。もっとも、過去の同種の事案の裁判例を踏まえて、一応の目安・相場をご提示することはできます。今回は、裁判例から見た慰謝料の相場について、ご説明させていただきます。

1 交通事故の慰謝料は一定の基準が存在する
交通事故で怪我をして入通院が必要となった場合の傷害慰謝料は、入院期間と通院期間に対応して金額が定められた一定の基準(裁判基準)が存在します。例えば、骨折で3か月通院した場合には、傷害慰謝料は73万円とされています。また、後遺障害が残った場合の後遺障害慰謝料は、1級から14級の等級ごとに標準額があり、例えば14級の後遺障害が残った場合には、後遺障害慰謝料は110万円となっています。しかし、一般的に、保険会社が示談段階で提示してくる金額は、この裁判基準の金額よりもかなり低い金額であることには、注意が必要です。

2 不倫・浮気の慰謝料にも相場はあります
不倫・浮気の慰謝料については、不倫・浮気が原因で離婚に至った場合で、100万円~200万円ほどを認める裁判例が多いです。この金額は、不倫・浮気の期間・回数、結婚期間、子どもの有無などの要因で増減します。離婚に至っていない場合には、100万円を下回ることもありますし、不倫・浮気の期間が数年間にも渡るケースや、不倫・浮気によって子どもができた(妊娠した)ケースなどでは、200万円を超えてくる場合もあります。

3 パワハラ・セクハラの慰謝料は?
パワハラ・セクハラに当たる行為の程度(強弱)により、10万円ほどから数百万円を認めた裁判例まで様々なものがあります。なお、裁判となると、金額以前に、セクハラ・パワハラの事実を証明する証拠の有無や、被害者自身の過失などが問題となることも多く、その分だけ裁判が長引く傾向にあるといえます。

このように、様々な事案の慰謝料の金額については、一応の目安・相場があります。どれくらいの金額を請求するか、いくらくらいの支払ならやむを得ないのか、示談で終わらせた方が良いのか、裁判を覚悟で示談交渉を打ち切った方がいいのかといった判断をする上では、この目安・相場を知っておくことが重要となります。慰謝料について、お悩みのこと、ご不明のことなどがありましたら、まずは当事務所にお気軽にご相談いただければと存じます。

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