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ニュースレター32-1

内容

離婚における財産分与について

離婚の際に争いになるものの1つとして、財産分与(婚姻期間中に夫婦の協力によって形成された財産を、離婚の際に分けて清算する制度)があります。今回は、財産分与において、しばしば問題となる事柄をいくつか挙げて、ご説明させていただきます。

1 子ども名義の預金は対象となるか
財産分与の対象となるかどうかは、夫婦の協力によって形成された財産と言えるのかどうかがポイントとなります。子ども名義の口座に、祖父母などから子ども自身がもらったお金(例えば、入学祝い・お年玉など)を預金していた場合には、子ども自身の財産であって、夫婦の協力によって形成された財産とは言えないので、財産分与の対象とはなりません。これに対して、子ども名義の預金でも、夫婦の収入から少しずつ預金をしていた場合には、夫婦の協力によって形成された財産と言えるので、財産分与の対象となります。

2 夫婦いずれかの名義の事業用財産、会社(法人)名義の財産は対象となるか
夫婦の一方または共同で営む事業に関して形成された、夫婦いずれかの名義の事業用財産(事業で用いる預金、自動車、不動産など)は、婚姻期間中に形成されたものであれば、財産分与の対象となります。これに対して、会社(法人)の名義となっている場合には、会社自身の財産なので、財産分与の対象とならないのが原則です。もっとも、会社の株式・出資持分を保有している場合には、会社ではなく個人の財産なので、夫婦の協力によって形成された財産と言えれば、財産分与の対象となります。

3 どのような割合で分けるか
財産分与の割合は、原則として2分の1とされます(これを「2分の1ルール」と言います)。この2分の1ルールは、共働きの夫婦であっても、妻が専業主婦の場合であっても、同じく適用されます。もっとも、この2分の1ルールは、経営者の離婚においてしばしば問題となり、経営者自身の特別な才覚や努力によって多額の資産が形成されたと言える場合には、適用されないことがあります。 裁判例では、様々な事情を考慮した上で、財産分与の割合を、経営者70:その配偶者30としたケースなどがあります。

以上の点のほかにも、借金は考慮されるのか、将来受け取る予定の退職金は対象となるのかなど、財産分与において問題となる事柄は様々あります。離婚における財産分与でお悩みの際には、まずは当事務所にお気軽にご相談ください。

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