起訴されるまで(起訴前)

逮捕されてから起訴されるかどうかが決まるまでの流れは、次のとおりです。

①逮捕
逮捕されないまま手続が進行することもありますが、まずは逮捕されることが多いです。
逮捕された場合は、最大3日間、身柄を拘束されます。

②勾留
検察官は、逮捕から引き続き身柄を拘束する必要があると判断した場合は、裁判官に対し、さらに身柄を拘束するよう請求します。
それが認められると、まず10日間、身柄の拘束が続きます。
これを勾留といいます。

10日間勾留してなお、さらに身柄を拘束する必要があると判断した場合は、検察官は、裁判官に対し、勾留の延長を請求します。
それが認められると、さらに10日間、勾留が続きます。
これを勾留延長といいます。

したがって、身柄の拘束は、逮捕されてから起訴されるかどうかが決まるまで、最大23日間続くことになります。
逮捕・勾留の期間中は、証拠隠滅の可能性などを理由に家族などとの面会が認めらない場合もあります。
これを接見禁止といいます。
また、たとえ家族などが面会できたとしても、面会時間は15~20分くらいに制限されますし、警察官が面会室に同席してやりとりを聞いているため、自由に話ができる雰囲気ではありません。
もっとも、弁護士であれば、接見禁止に関係なく面会することができますし、面会時間の制限がなく、警察官の立ち会いもありません。

③処分
検察官は、逮捕・勾留の期間中に、警察官とともに事件の捜査を進め、事件を裁判所に起訴するかどうかを決めます。

有罪の場合であっても、被害者との示談ができたり、被害者への弁償をした場合は、起訴されずに釈放される可能性が高くなります。
これを不起訴をいいます。

起訴する場合は、正式な裁判である公判を請求するケースと、書面審理によって罰金を科する略式命令を請求するケースとがあります。
略式命令は、100万円以下の罰金、科料にあたる軽微な犯罪であって、被疑者(容疑者)が略式命令に同意した場合に選択されます。
略式命令の場合は、正式な裁判は開かれず、処分の日に釈放されます。

※逮捕、勾留されない場合は、身柄を拘束されず、警察官、検察官から呼び出されたときに警察署、検察庁に出頭し、必要な取調べを受けることになります。検察官が処分を決めるまでの時間制限はありません。

起訴されてから(起訴後)

起訴(公判の請求)されて正式な裁判になってからの流れは、次のとおりです。
なお、起訴される前から勾留されている場合は、起訴された後も勾留は続きます。
もっとも、保釈(●保釈について)が認められれば、身柄が解放されます。
また、起訴される前に勾留されていない場合は、起訴された後も身柄を拘束されないケースがほとんどです。

①冒頭手続
起訴されてから1~2か月くらいで、最初の裁判が開かれます。

裁判では、まずは、被告人(起訴された人)の本人確認、起訴された内容に間違いがないかの確認など、冒頭手続という手続が行われます。
冒頭手続は、5分くらいで終わる簡単な手続です。

②証拠調べ手続
冒頭手続が終わると、証拠調べ手続に入ります。

証拠調べ手続では、まずは、検察官が、犯行に至る経緯、犯行状況などを裏付ける証拠を提示し、有罪を証明していきます。

これに対し、弁護士は、被告人が無罪を主張している場合は、検察官が提示した証拠を争ったり、被告人が無罪であることを裏付ける証拠を提示し、無罪を証明していきます。
被告人が罪を認めている場合は、弁護士は、少しでも刑を軽くするための弁護活動を行います。
例えば、被害者との示談を取り付けて示談書を提出したり、親族などに被告人を監督していくことを証言してもらうなどです。

③弁論手続
弁論手続では、まずは、検察官が、証拠調べ手続の結果に基づき、被告人が有罪であること及びその理由を主張し、どのくらいの刑が相応しいかの意見を述べます。

これに対し、弁護士は、被告人が無罪を主張している場合は、証拠調べ手続の結果に基づき、被告人が無罪であること及びその理由を主張します。
被告人が罪を認めている場合は、弁護士は、証拠調べ手続の結果に基づき、被告人に有利な事情(被害者との示談、親族による監督など)を主張し、刑を軽くすべき、あるいは、執行猶予(一定期間再犯に問われなければ、刑務所に行くのを免れること)が相応しいという意見を述べます。

最後に、裁判官は、被告人にも意見を述べさせます。
被告人は、無罪を主張している場合は「やっていません」、罪を認めている場合は「申し訳ありませんでした」など、手短に意見を述べるケースが多いです。

被告人が罪を認めていて、複雑な事件ではない場合は、冒頭手続から弁論手続まで、最初の裁判の日にすべて終わらせてしまいます。
そうでない場合は、次の裁判の日が設けられ、続行となります。
裁判の日から次の裁判の日までの期間は、1か月くらいとされることが多いです。

④判決
弁論手続が終わると、1~2週間くらいで判決がくだされます。
もっとも、複雑な事件の場合は、判決までもう少し時間がかかります。

被告人が罪を認めていて、複雑な事件ではない場合は、起訴されてから判決まで、トータルして2~3か月くらいです。

最初の裁判の日のうちに冒頭手続から判決までをすべて終わらせる、即決裁判という手続もあります。
即決裁判は、事実関係が明白かつ軽微であって、証拠調べが速やかに終わると見込まれるなどの事情を考慮し、検察官が相当と考えるときに、被疑者が即決裁判に同意した場合に選択されます。
即決裁判の場合は、懲役、 禁固には必ず執行猶予がつきます。

※複雑な事件の場合は、公判前整理手続、期日間整理手続という争点整理のための手続が行われることもあります。

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